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ケーススタディ

利子所得・配当所得について

1 利子所得

(1) 課税対象

①公社債(ストリップ債のうち分離利子公社債は株式の譲渡所得)
外国及び外国の地方公共団体の公債も含まれる。(学校債、組合債の利子は雑所得)

 

② 預貯金の利子
金融機関に対する預金及び貯金
金融機関以外に対する寄託金の利息は下記以外は雑所得となる。
ア 労働基準法又は船員法による貯蓄金
イ 国家公務員共済組合法、私立学校教職員共済法による組合員の貯金
ウ 金融商品取引業者に対する預託金で勤労者財産形成貯蓄契約、勤労者財産形成年金貯蓄契約、勤労
  者財産形成住宅貯蓄契約に基づく有価証券購入のためのもの。
注 労働基準法又は船員法に基づく貯蓄金管理協定が作成されていない勤務先利子や役員への利子、
  従業員の家族などの預金の利子は雑所得となる。

③ 合同運用信託

 

④ 公社債投資信託の収益の分配金

 

⑤ 公募公社債等運用信託の分配金

 

⑥ 農林債権、商工債権、東京交通債権の利息等

 

(2)非課税対象

障害者の少額預金

 

(3)所得

源泉税控除前の支払金額

 

(4)税

国税 15.315%
地方税 居住者5%

 

(5)課税方法

下記の利子等を除いて源泉分離課税
① 特定公社債

 

② 公社債投資信託のうち次のもの
ア 公募により募集されたもの

イ 上場しているもの、又は外国の金融商品市場で売買されているもの

 

③ 公募公社債等運用投資信託の収益の分配

 

④ 特定公社債以外の公社債の利子で、支払う法人の同族関係者が受けるもの
注 上記①~③は申告分離課税の対象、④は総合課税の対象となる。

 

(6) 特定公社債等の利子所得の申告分離課税

 

2 配当所得

(1) 課税対象

・法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配(出資に係るもの)
・相互保険会社の基金利息
・公社債投資信託や公募公社債等運用投資信託以外の投資信託
・特定目的信託の収益の分配(オープン型証券投資信託の特別分配金を除く)
・特定受益証券発行信託の収益の分配
・発行会社への発行株式の譲渡によるみなし配当
注1 相続で取得した場合で一定の要件を満たした場合は譲渡所得として課税
注2 みなし配当には的確でない場合の合併等で生じる場合があります。

 

(2) 非課税対象

非課税口座内の少額上場株式等に係る配当
未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当

 

(3) 所得

配当の収入金額-配当を生ずべき元本の取得に要した負債の利子
注1 確定申告をしないことを選択した部分は控除できない。
注2 株式を譲渡した場合は譲渡収入から控除する。
注3 負債の利子が配当所得を超えた部分は他の所得から控除できない。

 

(4) 少額配当の申告不要制度

少額配当、上場株式の配当等(その上場株式の3%以上保有する大口株主を除く)は、確定申告をせず源泉徴収で済ませる、または確定申告をして配当控除や源泉税の還付を受けることができます。
注1 少額配当とは、1銘柄につき1回に受ける配当が、
   10万円×配当計算月数÷12の金額以下のものを言います。
注2 特定投資法人の配当は配当控除は受けられません。

 

(5) 配当所得の課税の特例

① 私募公社債等運用投資信託等に係る源泉分離課税
私募公社債等運用投資信託又は特定目的信託(一定の公募により行われたものを除く)の社債的受益権の収益の分配については、15.315%(居住者はほかに地方税5%)の源泉分離課税

② 国外で発行された投資信託等の収益の分配に係る配当所得課税
ア 国外私募公社債等運用投資信託等の配当を国内の一定の支払者を通じて交付を受ける場合には、
  15.315%と地方税5%の源泉分離課税となります。

イ 国外投資信託の国内の国内における取扱者は15.315%(このほか地方税5%)の所得税を徴収
  する。
  国外で発行された投資信託もしくは特定受益証券発行信託の受益権又は社債的受益権で公募型の
  もの又は上場されているものが対象となる。
  その上で、国外公募投資信託等の配当は選択により、申告分離課税及び上場株式等に係る
  譲渡損失との損益通算又は申告しないことができる。
  国外公募投資信託等の配当について外国所得税が課せられている時には、外国所得税を控除した
  後の金額について15.315%の源泉徴収が行われる。
  居住者は確定申告により外国税額控除ができる。

③ 上場株式等に係る配当所得の課税の特例
上場株式の配当の内以下のものについては申告分離課税として確定申告ができる。また、申告分離課税を申告した場合、他の上場株式の配当については総合課税の対象とすることはできない。

ア 上場株式の配当で大口株主(保有割合3%以上)以外の株主が受けとるもの

イ 公社債投資信託以外の投資信託で一定の公募で行われたもの(特定株式投資信託を除く)の
  収益の分配に係る配当

ウ 特定投資法人の投資口の配当

エ 特定目的信託(資産の流動化に関する法律224条に規定する社債的受益証券の募集が公募により
  行われたものを除く)

④ 確定申告を要しない配当所得
次に係る配当等については20.42%の源泉徴収で済ませることができる。
申告する場合は総合課税により配当控除の適用を受ける。
上場株式等の配当等については、申告分離課税により上場株式の譲渡損失と損益通算できる。
選択は、原則として1回に支払いを受ける配当等の額ごと(源泉徴収選択口座内配当については特定口座ごと)に行う。
ア 内国法人から支払いを受ける配当等で、1回に支払いを受ける金額が10万円に配当計算期間の
  月数を乗じて12で除した金額以下である場合
イ 内国法人から支払いを受ける上場株式の配当
ウ 内国法人から支払いを受ける投資信託で公募で行われたものの収益の分配
エ 特定投資法人から受ける投資口の配当
オ 特定目的信託(社債的受益証券の募集が一定の公募により行われたものを除く)の社債的
  受益権の剰余金の配当

⑤ 国外株式の配当所得の源泉徴収の特例
居住者が国外株式の配当を国内の支払い者から交付される場合、20.42%の所得税が源泉徴収されます。
確定申告を要しない取り扱いは次によります。
ア 外国税が控除されている場合はその外国税の控除後の金額
イ その国外株式の配当については、内国法人から支払いを受ける配当とみなされます。

 

(6) 住民税の取り扱い

上場株式の配当について総合課税で申告した場合でも、住民税では申告不要を選択できる。
ただし、住民税の納税通知書の送達日までに別途住民税の申告書の提出が必要。

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