配偶者が扶養の範囲で働くことの意味とは
よく言われる配偶者が「扶養内で働く」とはどういう意味なのでしょうか
扶養控除が受けられる範囲の中で働くとも言われますが、扶養控除には社会保険上の扶養と税制上の扶養がありますのでそれぞれ見ていくことにします。
1.社会保険上扶養に入る意味とは
配偶者が社会保険上の扶養に入る(被扶養者になる)と、健康保険料や年金保険料を負担することなく公的年金や健康保険に加入することができるので、その条件を満たす年収で働くことを扶養内で働くということになります。
2.税金計算上扶養に入る意味とは
所得控除の1つである配偶者控除または配偶者特別控除が適用になり税金を減らすことができる年収まで働くことを扶養内で働くということになります。
配偶者が労働時間を決める目安として、子供がまだ小さい、親の介護の合間に仕事がしたいなどの働く時間に制限がある場合や仕事以外に優先したい事情がある場合には、夫(妻)の勤め先の配偶者手当の支給基準または社会保険に加入するライン(年収130万円または106万円)が年間労働時間の一つの目安にされているといわれています。
妻の年齢が70歳未満夫の給与収入が1,095万円以下のケースを例に、妻の収入の壁と扶養の範囲をまとめましたので参考にしてください。
妻の収入 |
税金・社会保険の扶養と配偶者控除等 |
100万円の壁 |
100万円(自治体によっては93万円~100万円)を超えると住民税が課せられる。 |
103万円の壁 |
103万円までは妻に所得税は課せられない。 夫は配偶者控除を受けられる。 103万円を超えると妻に所得税が課税される。 夫は配偶者控除に代わって配偶者特別控除が受けられる。 ただし、収入の増加に伴い、10段階で控除額が減少する。 |
106万円の壁 |
従業員501人以上の企業に勤務する妻の場合は、月額賃金8.8万円以上(年額105.6万円以上)などの一定の条件に該当すると、社会保険の扶養から外れ社会保険料の支払いが発生する。 |
130万円の壁※ |
130万円以上で社会保険の扶養から外れ、一定の条件のもと社会保険料の支払いが発生する。 |
150万円の壁 |
150万円までは夫は満額の38万円の配偶者特別控除を受けられる。 150万円を超えると、妻の収入の増加に伴い、配偶者特別控除の額が段階的に少なくなる。
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201万円の壁 |
201.6万円以上になると夫は配偶者特別控除が受けられなくなる。 |
※社会保険の加入基準の収入130万円を算出する場合には、税金とは異なり、通勤交通費や通勤手当も含めて計算します。
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