相続があった場合のインボイス制度の取り扱い
令和5年10月1日からインボイス制度が開始され、早いもので約2年が経過しようとしていますが、インボイス制度そのものの理解がまだまだ浸透していないこともあり、国税庁では特設サイトやマンガによる解説等を行っています。
なかでも相続があった場合の税務処理について、法令や通達から読み切れないことが多くある為、ここでは一部を抜粋してご紹介します。
■ 相続があった場合の消費税の納税義務の判定
- 相続年:
相続があった年の基準期間における被相続人の課税売上高が1,000万円を超える場合は、相続があった日の翌日からその年の12月31日までの間の相続人の納税義務は免除されません。 - 相続年の翌年・翌々年:
相続があった年の翌年又は翌々年の基準期間における被相続人の課税売上高と相続人の課税売上高との合計額が1,000万円を超える場合には、相続があった年の翌年又は翌々年の相続人の納税義務は免除されません。
■ インボイス制度におけるみなし措置
インボイス発行事業者の登録は事業者単位で行われ、インボイス発行事業者としての地位は相続人に引き継がれないこととなっています。
そのため、免税事業者である相続人が事業を承継する場合には、その相続人が登録を受けるまでインボイスの発行ができず、事業の継続に支障をきたす恐れがあります。
このような事態を避けるため、以下の「みなし登録期間」が設けられています。
- インボイス発行事業者である個人事業者の相続があった日の翌日から4か月を経過した日
- または、その事業を承継した相続人がインボイス発行事業者の登録を受けた日の前日
上記のいずれか早い日までの期間については、相続人がインボイス発行事業者とみなされ、被相続人の登録番号が相続人の登録番号とみなされます。
このため、消費税の納税義務の免除規定にかかわらず、みなし登録期間については相続人が課税事業者として申告を行う必要があります。
また、相続人は速やかに「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を所轄税務署長に提出する必要があります。提出が遅れると、登録の効力が想定より早く失われる可能性があります。
■ 最後に
インボイス発行事業者である個人事業者の事業を承継した相続人が免税事業者である場合、みなし登録期間を過ぎるとインボイスが発行できなくなります。
そのため、事業を継続する場合は、期間中にインボイス発行事業者としての登録申請を忘れずに行うことが重要です。
弊社に相続税申告をご依頼いただくタイミングはさまざまですが、4か月を過ぎて初めてご相談いただく方もいらっしゃいます。
4か月を経過してしまうと、所得税および消費税の申告が期限後となるだけでなく、適格請求書発行事業者の登録が途中で切れてしまうなどの不利益が生じる可能性がありますので、お早めに青山合同税理士法人までご相談いただければ幸いです。

