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税務コラム

仮想通貨に係る税制について

1. 仮想通貨とは

近年IT技術の進歩は目覚ましく発展を遂げており、その技術を利用した様々なサービスや仕組みが誕生しており、その中でブロックチェーン技術を活用した仮想通貨が大きな話題となりました。
仮想通貨は、デジタル通貨の一種で紙幣や硬貨といった形が存在しないものですが、日本政府も普及に後押ししたこともあり、利用者が急激に増加することになりました。

 

2. 仮想通貨の特徴

仮想通貨の特徴を整理すると以下の通りです。
(1)財やサービスの対価として使用できる
(2)法定通貨との交換(法定通貨による売買)の対象とされる
(3)紙幣や貨幣などの実物は存在しない
(4)インターネットの中だけで移転・流通する
(5)法定通貨ではないため、法律による強制通用力が無い

 

3. 仮想通貨を取り巻く国内税制

1.資金決済法の改正・国税庁公表
世界に先駆けて2016年6月に資金決済に関する法律(以下「資金決済法」)が改正され、仮想通貨が法的に位置づけられました。
仮想通貨は、物品の購入や役務提供を受けることができると同時に、仮想通貨それ自体を交換することも可能とされており、様々使用場面が想定されることが分かります。
2017年9月に国税庁のタックスアンサー内(No.1524)で、ビットコインを使用することにより生じた利益は所得税の課税対象となり、原則として雑所得に区分されることが示されました。
2017年12月1日に国税庁が個人課税課情報第4号(仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報))を公表しています。

2.所得税法上の取扱い
(1)原則、雑所得として累進課税
仮想通貨の売却又は使用による損益は、事業所得等の各種所得の起因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として雑所得に区分されます。

(2)雑所得に区分される損失の取扱い
仮想通貨の売却又は使用により、雑所得の金額の計算上生じた損失については、同じ雑所得に区分される公的年金等の所得と内部通算することができます。
しかし、仮想通貨の取引によって生じた損失については、損益通算、繰越控除の対象となっていません。
つまり仮想通貨の取引は、証拠金取引もありますが、現時点で分離課税の対象となる株式の譲渡や先物取引等の枠組みには含まれていないものとみなされています。

3.消費税法上の取扱い
2017年6月30日以前は、非課税取引とはみなされず、消費税が課されていましたが、資金決済法により仮想通貨が支払手段として法的に位置づけられたことに伴い、税制改正により、仮想通貨の譲渡は、2017年7月1日以後は非課税とされました。

4.仮想通貨の会計処理等に関する取扱い
法人が期末に仮想通貨を保有する場合の会計処理については、平成30年4月1日以後開始事業年度の期首からは、原則として以下のように取り扱うことになります。(企業会計基準委員会実務対応報告第38号(平成30年3月14日)

(1)活発な市場(十分な数量及び頻度で取引が行われている市場)が存在する場合
→市場価格に基づく価額をもって貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額は当期の損益として処理します。

(2)活発な市場が存在しない場合
→取得原価をもって貸借対照表価額とします。期末における処分見込価額が取得価額を下回る場合には、当該処分見込価額をもって貸借対照表価額とし、取得原価と当該処分見込価額との差額は当期の損失として処理します。
なお前期以前に当該差額を損失として処理した場合、当該損失処理額について、当期に戻し入れを行いません。

5.仮想通貨の評価損益の法人税法上の取扱い
法人税では、原則として資産の評価益は益金不算入、資産の評価損は損金不算入となります。
例外として、短期売買商品に該当する場合、資産の評価益は益金算入、資産の評価損は損金算入となりますが、仮想通貨については、当該法令の範囲外と考えられています。従いまして、会計処理の規定に従い、期末に保有する仮想通貨について評価損益を計上した場合、現時点の法人税法では、別段の定めもないことから、原則として資産の評価益不算入、資産の評価損は損金不算入として別表四上で調整が必要となります。

6.仮想通貨を用いた資金調達の課税上の取扱い
仮想通貨を用いた資金調達は、会計及び税務のいずれにおいてもその取扱いが不明瞭となっていますが、個々のケースを検証することで以下の3つの税務処理が想定されると考えられています。
(1) 資本取引(発行時:資産と資本金が増加)
(2) 負債取引(発行時:資産と負債が増加)
(3) 収益取引(発行時:資産と収益が計上)

日本国内では法的制約の観点から、国内での仮想通貨を用いた資金調達が見送られ、海外のタックスヘイブン国(所得に対する税の負担が著しく低い国)にて実行するケースがあると伺います。その場合、日本国の外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)により、合算課税の対象となる可能性もあるため、外国法人を用いた仮想通貨による資金調達によるストラクチャリングにあたっては、税務・法務の専門家を交えた慎重な検証が求められます。

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